成行注文とは、「今表示されているレートで、すぐに買いたい・売りたい」ときに使うFXの最も基本的な注文方法です。
為替レートをあらかじめ指定せず、取引画面を見ながらタイミングを判断して発注するため、初心者でも直感的に使いやすいのが特徴です。

FXでは、注文ボタンを押しただけではまだ取引は完了しません。FX会社が注文を受け付け、実際に売買が成立して初めてポジションを保有できます。
この売買が成立することを「約定する」といいます。成行注文は、表示中のレートでできるだけ早く約定させることを目的とした注文方法です。
たとえば、米ドル/円の買いレートが「112.385円」と表示されている場面で、「ここからドル高に動きそうだから今すぐ買いたい」と考えたとします。
このとき、指値注文のように「112.380円になったら買う」と条件を設定する必要はありません。
表示されている買いレートで成行注文を出せば、通常はその近くのレートですぐに約定します。
成行注文は、相場の流れを見ながら「今この瞬間でエントリーしたい」というデイトレードやスキャルピングに向いています。
反対に、「この価格までは買いたくない」「利益を確定させたい価格が決まっている」といった場合は、指値注文や逆指値注文のほうが適しています。
・成行注文のやり方
成行注文の操作はとてもシンプルです。多くのFX会社の取引画面には、通貨ペアごとに「売り(Bid)」と「買い(Ask)」の2つのレートが並んで表示されています。
//取引したい通貨ペアを選ぶ
//チャートやレートの動きを確認する
//「買いたい」と判断したら買いレートを、「売りたい」と判断したら売りレートをクリックする
//取引数量を選んで注文を確定する
//約定通知や保有ポジション一覧で約定を確認する
このように、売りと買いのどちらかを選んでクリックするだけで注文できるため、複雑な価格設定は不要です。
初めてFX取引をする人でも、「今のレートで売買する」という感覚で操作しやすいでしょう。
なお、FXにおける成行注文は、株式の成行注文と少し意味合いが異なります。
株式の成行注文は「いくらになってもいいから買いたい・売りたい」という場合に使われますが、FXの成行注文は「いま表示されているレートで、すぐに売買したい」というニュアンスです。
そのため、FXでは注文から約定までの時間が短く、相場の変化に素早く対応しやすいといえます。
FX会社によっては、成行注文のことを「ストリーミング注文」「マーケット注文」「プライスオーダー」「クイックトレード」「リアルタイムトレード」などと呼ぶこともあります。
名称は異なりますが、「現在のレートですぐに売買する」という基本的な仕組みはほぼ共通です。
利用する前に、自分が使うFX会社の注文方法や約定ルールを一度確認しておくと安心です。
ここからは、成行注文のメリット・デメリットや、注文が滑る「スリッページ」の仕組みと対策について解説します。



















