金融庁が示しているリスクの1番目が相場変動リスクです。
HP上では
外国為替相場や金利が自分の想定と逆の方向に動いた場合には、短期間のうちに差し入れた保証金以上の損失が発生する可能性
とリスクについて記されています。
FXは常に変動する為替相場を利用した取引なので、「安い時に買って高い時に売る」「高い時に売っておいて安い時に買い戻す」という商売の基本の様な物で利益を目指します。
商売と違うのはお客を探す必要がなく、売りたい時はいつでも売れて、買いたい時もいつでも買えるという点ですね。
商売でも仕入れ値よりも商品の価値が下がってしまえばその分だけ損をしますし、逆にあらかじめ商品代金を貰っていたのに仕入れようと思ったら貰ったお金以上に商品が高騰したとなれば差額分が損失となります。
これと同じことが為替変動にも言えます。
またFXでは証券会社の口座に入金したお金を担保金としてその最大25倍までの取引ができるレバレッジという仕組みを利用するのが普通です。
手持ちのお金以上に取引ができるので上手くいった時は利益も大きいですが、失敗した時は入金したお金以上の損失となる可能性があります。
FX会社では入金した以上の損失とならないように、一定以上の含み損が発生した時は「強制ロスカット」を行って取引を終了させる仕組みを備えています。
この仕組みのおかげで通常は借金となる事はありません。
しかし金融庁HPで「短期間のうちに」と指摘しているように、非常に短い期間でとても大きな変動を起こしてしまった場合、強制ロスカットが間に合わずに損失が入金したお金以上になる可能性があります。
ほぼない事ですが、2015年1月に起きたスイスフランショック(※)の様に実際に起きた例もあります。
特に変動の大きい通貨の場合はレバレッジの上げ過ぎに注意しましょう。
(※)スイスフランショックとは2015年1月15日にスイス中央銀行がそれまで続けていたユーロへの介入を突然やめると発表、市場が大混乱して特にスイスフランが絡む通貨ペアが瞬間的に大変動した出来事です。
当時のロイター記事によると、
スイス国立銀行(中央銀行)は15日、過去3年にわたり維持してきたスイスフランの対ユーロの上限、1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表した。
(中略)
発表の数分後、スイスフランは対ユーロEURCHF=EBSでパリティー(等価水準)を突破し、一時1ユーロ=0.8052フランまで上昇。その後は上げ幅を縮小し1.0255フランで取引された。
とあります。
数分で30%もの変動が起きたため、スイスフラン/円などスイスフランが絡んだ通貨ペアで取引していた人は大打撃を受けました。